
水曜日、アルザスのワイン街道を訪れることになった。
アルザスワインというのは日本ではあんまり飲まれていないけど、ボルドーやブルゴーニュと並ぶワインの産地であります。瓶はドイツワインのものと似ています。が、味は辛口が多く、香りも華やかなんですよ。
ストラスブールの西、マルレンアイムからタンあたりまで南北およそ170kmに及ぶ地域に作り手がぎっしり立ち並ぶのです。これ全部、飲み歩いている人ってやっぱりいるんでしょうか…
ワイン街道のマップを置いているのですが、そこに100数十の名前が書いてあったので、それが作り手なのかと思ったら、それは街の名前でその街の中にいくつもの作り手が更にある…という状況なんですね。
普通にここをめぐるには車を借りて自力でいくか、近くの大きめの都市、ストラスブール発かコルマール発のワイン街道ツアーというのがあるようです。
私らは今回はフランス語ができるはるじさんがいてくれてる(&サンちゃんたちがいる)ので、もう好きなところにいけちゃうわけですね。でも、行き先はサンちゃんの旦那様エルワンにお任せ。
まず、最初に訪れたのは一番近いSaint-Hipploiyteにあるワインメゾンだったのですが、言葉がわからないと気配に敏感になりますね。
「あれ?ここはやってんの?」という第一印象だったのですが、ここのワインはめちゃまずでした。
私もダーリンも「買っていくほどではないよね」って印象。こんなもんなのかなーって思っていたら、エルワンがめっちゃ怒っていたんだそうです。
後ではるじさんが教えてくれましたが、
エルワン「なんだ、これはっ!これじゃあ、トイレの水だ!」とフランス語で怒鳴っていたんだそうです。
それでも試飲させてもらっているからとサンちゃんが2本くらい買ったら「なんで、こんなマズイワインを買うんだ!」とそれについても怒っていたらしい。
後々、エルワンは「あれは料理にでも使ってくれ…」と何度も言っていました。
あんなところに(私達を)連れて行ってしまったーと自尊心が許さなかったらしいです。
気を取り直して、同じ街にあって、先日例のキャラ立ちおばさんがくれたゲベルツトラミネールを作っている、おばさんの弟のメゾンにいくことにします。

ここのお嬢さんが2004年のミス・フランスなんですよ。ちゃんとお店のパンフレットにも登場していましたよ。
なかなか綺麗でした。
さっきの店と違って、期待できそう…

アルザスのワインは品種の名前がついています。
●ゲベルツトラミネール という華やかでこちらの煮込み料理なんかにも合わせることのできるワイン。
●ピノ・グリ なかなか美味しいワインが多かったのがこのピノ・グリ。ちょっと発見でした。
●ミュスカ 軽めの辛口ワイン
●シルヴァネール 軽めで酸味のある爽やかなワイン
●リースニング 一番アルザスでは多いでしょうか。辛口のしっかりしたワインです。
●ピノ・ブラン これも少なかったように思いますね~
●ピノ・ノアール アルザスでは珍しい赤ワインになります。かなり軽めの赤です。
このメゾンでは試飲をしてゲベルツとリースニングを3本買って行きました。
エルワンのご機嫌もよくなったようでした。

小雨が降る中、次に立ち寄ったのはベルグハイム。
このあたりはジャムを作っているお店が多いのですが、本当に小さいところでも美味しいジャムを作っているんです。
新宿伊勢丹にも入っているクリスティーヌ・フェルベールもアルザスのジャム作りの有名な方で、ここのジャムは日本で買うといくら?2~3000円はする?
まあ、名前は知られてないですが匹敵するくらいに美味しいジャムが売っているわけです。
まずは街の散策。

どの街も城壁が街の周りをとりまいています。この辺はドイツになったり、フランスになったりと大変だったところですもんね。

これがジャムやさんですが、お花がいっぱいで可愛いですよね。
こちら、アルザスの家々、お店とかはこんな風にお花でいっぱいになっていて、どこも雰囲気があります。

このあたりでカメラのメモリーが一杯になってきて、極端に写真が少なくなります。
お昼を食べるところを探します。実はここはアルザスの初日の夜ご飯、とっこに連れてきてもらったレストランがある街だったのですね。
「あそこ、美味しかったからあそこにいこうー!」とお店まで行ったら…休みだった…ショック!
他に何人も同じようにきて、「あー休みだ!」と嘆いている方々がいました。
私らは同じならびにあるプチホテルの中のレストランに入ってみました。

こんな雰囲気のあるところ。
レストランは割りとドイツのビアホールみたいな雰囲気だったのですが、出てきたお料理はこれまた美味しかったのよね。
メモリーないとかいって料理だけはしっかり写している私。

これはダーリンが頂いた鶏のクリーム煮。例のアルザス地方のパスタが添えてあります。

私もここで初めてシュークルートを注文。サワークラフト(酢漬けのキャベツ)が割と好きなので嬉しいです。なんかお腹によさそうだもん。肉は半分ダーリンにあげて、キャベツ食べていました。

フライドポテトがなにより好きなはるじさんは時々ステーキを注文。だって山盛りポテトがついてくるんだもん。

みんなでシェアしたサラダも美味しかったです。

デザートにはダーリン以外全員、クリームブリュレを頂きました。
フランス人は本当に男性でも甘いもの好きですよねー。しかもぱくぱく量食べます。

この右の店がとっこが連れていってくれたところ。
ダーリン、帽子買ってよかったね。なんかヨーロッパ人になっているよ。
食事の後、この街でオードヴィ、つまりフルーツなどを使った強いお酒ですね、これを作っているつくり手さんがいるというので行って見ます。
ところが、閉まっていたんですね。門のところで中を除いていると、老婦人が帰ってきて…
実はそこの方で本当は今日はお休みだったらしいのですが、帰ってきたところだったのであけてくださったの。
ラッキーです。
ここはお酒に入れる果実を全部自分のところで手作りしていて、自分のところで捕れたものだけを使って作っているんですね。マールやグラッパのようなお酒です。

私らはみんなで飲んでもらうように、マール、アルザスの白ワインから作ったお酒、ミラベルという小梅から作ったお酒の3種類を買って行きました。
とても丁寧に作っているつくり手さんで、サンちゃんがなんでガイドブック(フランス版地球の歩き方みたいな)に乗ってないのかと尋ねると、沢山の方がいい店があるよとメールしたり、編集の人に手紙を書いたりしてくれているんだそうです。自分でも編集部に連絡してみたところ、「はい、そのうち伺います」と言って一向に取材にはこないんだそうです。多分、ああいうのに掲載されるためにはお金がいるんだろう…と言っていました。
この後はリボーヴィレという有名な街に出かけて散策です。
ダーリンはちょっとまだ風邪っぽかったので車の中でお休みです。
私もあまりに寒くて、写真を撮ることもできませんでした。えーん、もう帰る~って感じだったのよね。
そして3軒目のメゾン。ここはエルワンのイチ押しのところらしく、なんとしても行きたいという感じでした。
アメルシュヴィールという街を探して探してたどり着いた店はオーガニックワインを作っているメゾンだったのですが、ここが本当に美味しいワインを造っているんです。
ドメーヌ・マルタン・シャツェルのワインは本当に素晴らしかったです。
なんでも昨年のフランスのワイン雑誌で美味しいワインの何位かにランクづけされているそうで、このリースニングは美味しかったですよ。

このとき、説明してくださったジャン・シャツェル氏はアルザスのビオディナミの父と呼ばれているほどに、色々な方々に指導し影響を与えてきている人物。
私達、結構真剣に聞いていたんですが、フランス語はわからんけど、多分こんな話してんだな…と感じつつ、あとではるじさんが通訳してくれる内容に、なるほどね、そうか…と聞いていたんですが…
ここでもシャツェル氏がはるじさんに「彼らは飲食関係者?私が話すことをよく理解しているようだけど?」と聞いていたんだそうです。
私ら、お酒や食べ物になるとすごいセンサーが働くようです。
でもね、あとではるじさんが通訳してくれたことなんですが、このジャン・シャツェル氏の言葉が素晴らしかったのです。
「私は売れるワインを作っているわけではない。自分が納得できるワインを造ってきたら、それが美味しく売れるワインになっただけ」とおっしゃっていて、大きく手広くやろうという気持ちは毛頭ないということは話していらしたそうです。
シャツェル氏が「そういえば…」と出してきてくださったのが、日本の多分なんかの会員向けに発行されている雑誌に載ったインタヴュー記事。丁寧にコピーもくださいました。
後日、それを読んでみるとこの人の考え方、そしてワインに対する強い思いを知ることができて、ますます感動しました。
ワイン作りでは何よりも剪定が大事でそれは一朝一夕で出来るようになるものでもなく…という下りやビオディナミの人たちは農作業の暦に縛られていて、暦どおりに雨の中作業している。私はそうではなくて農作業にふさわしい時期を考えるので、一般のビオディナミの人たちとは距離がある…というようなことが書かれていました。
そして、何よりそのワインの安さにも驚かされるのですが、それについても「私は1本のボトルを造るのにどれくらい経費がかかるか知っています。1本10~15ユーロで偉大なワインが出来ます。70~80ユーロといった途方もないね代をつけるべきではありません。そうした高額のワインを売っている人たちが私以上に仕事をしているわけでもないし、私以上に能力があるわけでもないこともわかっています」とインタヴューに答えている記事を読んで考えさせられます。
何年か前にみた『モンドヴィーノ』というワインの作り手さんたちをとったドキュメンタリー映画を思い出しました。
儲けばかりを考えるのではなく、常に誠実にワインつくりと向き合っていく姿勢…これが大事なんだというメッセージはどんなものにも共通にあることなのではないでしょうか。
この日は大分遅くなってから、夜ご飯となりました。

サンちゃんが作ってくれた仔牛の煮込み料理。フランスのママンの味だそうです。
付け合せにライスがついているのですが、フランスでは米は茹でるんですね!ちょっとびっくりでした。パスタ感覚なんだろうねー。
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